■国保も上限102万円

 会社員以外の人たちにとっても他人ごとではない。自営業者等が加入する国民健康保険の保険料の上限も、22年度から年間102万円(現在は99万円)に引き上げられる方針なのだ。

「財政の安定や格差の是正で、お金持ちから取る──つまり上限の引き上げは仕方ないかもしれません。高い保険料を納めている現役世代の納得感を高めるためにも、高齢者の負担割合を増やす一方で過剰な病院通いを減らし、給付を抑制することにも注力してほしいものです」

 せっかく保険料を払っているのだから、内容を知ってもっと活用するのもいい。

「高額療養費や傷病手当金など、会社員や公務員の健康保険には民間保険より頼りになる制度があることも知っておきましょう。そのうえで、現在加入している民間保険の加入内容を見直せば、出費を抑えられます」

 雇用保険では大臣の認可済みの講座を受講・修了すると「教育訓練給付」として受講料の一部を補助してもらえる。その対象は「教育訓練講座検索システム」で検索できる。大型自動車免許や英検、医療関係、営業・販売関係、IT関係など意外なほど多彩に揃っている。(金融ジャーナリスト・大西洋平、編集部・中島晶子)

AERA 2022年1月31日号より抜粋

著者プロフィールを見る
中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。「AERA」とアエラ増刊「AERA Money」の編集担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などの経済関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

中島晶子の記事一覧はこちら
暮らしとモノ班 for promotion
台風シーズン目前、水害・地震など天災に備えよう!仮設・簡易トイレのおすすめ14選