食べログ利用者の多くは飲食店の最終的な評価点に目を向ける。一方、鈴木さんによると、サイトをよく見れば基礎となる元データ(ユーザー評価点)の分布をグラフで見ることができる。

 食べログの各飲食店のサイトで、「口コミ」の「平均・分布」をクリックすると「5.0」「4.5~4.9」「4.0~4.4」などゾーンごとに、件数の分布がわかる。「その分布をどう点数にするかが、まさにアルゴリズムです」(同)

 アルゴリズムには透明性や公正性などが求められるが、証明するために「中身を全部開示すると、それを操作しようとする人が出てくる」(同)。

 運用者には、不正な評価をする人をどう排除するのかも大きな課題だ。

 米国で通販サイト大手Amazonが偽のレビューの仲介業者2社を訴えた。偽の利用者に好意的な評価を書いてもらっていた。「アマゾンは不正の元を絶つところまで手を突っ込んだ」(同)

 検索サイト大手グーグルやヤフーなどは、検索結果をどう表示するか、アルゴリズム処理しているとされる。検索結果が1ページ目の上位に表示されると、利用者の目にとまりやすいため、検索される側は「ものすごく努力している」(同)。

 食べログ訴訟を振り返ろう。飲食店の口コミを独自のアルゴリズムで分析・評価し、そのアルゴリズムを更新して問題が起きた。訴状によると、更新でチェーン店の評価を低くし、無料会員を有料会員へ促し、既存の有料会員はより高額なプランへの切り替えを促す「チェーン店ディスカウント」を導入したと、韓流村は主張。優越的地位の乱用、公正競争の阻害に該当するなどと、韓流村は不法行為による損害賠償を請求した。

 韓流村は10年以上、食べログの有料会員を続けていたと、韓流村の任和彬代表は話す。アルゴリズムの更新について、任さんは取材に「チェーン店を狙った差別的扱いだ」などと主張している。

 カカクコムは判決を受けたことや、控訴することを相次ぎ発表。不当な判決で、正当性を訴え、判決の是正を求めていくとした。ただ、主張の根拠など詳細を明らかにしておらず、発表文が「いまお答えできるすべて」(広報担当者)という。

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