筒香はドジャースでも打率1割台と振るわず8月半ばに解雇。その直後にパイレーツ入りしたが、この頃の写真では幅と厚みのある体格を取り戻していたように見える。実際にパイレーツでは43試合で打率2割6分8厘、8本塁打、25打点と遅ればせながら本領を発揮した。筒香ほどの選手でもレイズやドジャースという強豪チームではプレッシャーが厳しかったのだろうか。

 筒香と同じく現役時代に体重減が話題となったのが、ヤンキースなどで通算251勝を挙げて19年限りでユニフォームを脱いだ左腕CC・サバシアだ。

 サバシアはインディアンス時代から巨漢がトレードマークだったが、2011年に膝への負担を軽減させるため減量を開始。さらに2012年には45歳のいとこを心臓発作で亡くしたことをキッカケにさらなる減量に励んだ。これにより、ヤンキース移籍後2年目となる2010年には約144キロだった体重が、みるみるうちに減っていき2013年シーズンの前には約124キロまでダウンした。

 一般的にアスリートは痩せてシェイプアップするとパフォーマンスが上がりそうなイメージもあるが、サバシアの成績は29歳だった2010年に21勝7敗、防御率3.18、翌2011年は19勝8敗、防御率3.00だったものが、体重減とともに下降。米メディアがこぞって「痩せすぎ」を指摘した2013年には14勝13敗、防御率4.78とデビュー以来常に安定した結果を残してきたサバシアにとってキャリアワーストの数字となってしまった。

 年齢的な衰えもあっただろうが、2013年は33歳となるシーズンでまだまだが老け込む年齢ではなく、米メディアの指摘通り「痩せすぎ」がピッチングに悪影響を与えた可能性も十分考えられる。もちろん体の負担軽減のために減量が必要な時はあるが、スポーツ選手のパフォーマンスという部分に関してはマイナスの影響があることもあるのかもしれない。

 このように選手によって体重の増減がパフォーマンスにどう作用するかは変わってくるが、感覚的なことが重要となるアスリートにとっては“慣れない体”でプレーすることは少なからず影響はあるようだ。昨年末に新庄監督からの減量指令が出た清宮は年明けに、以前と比べるとかなりスリムになった体型で話題となったが、果たして今年はどんなパフォーマンスを見せてくれるのだろうか。減量が良い方に出て、プロ入り5年目となるシーズンでの大暴れを期待したい。

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