北京での日本代表は豪華なメンバーが揃っている。男子モーグルの堀島行真は既に競技を終えて銅メダルを獲得。今後もスノボではハープパイプで五輪2大会連続銀メダリストで東京五輪ではスケボーにも出場した平野歩夢。昨季のXゲーム、世界選手権で優勝した戸塚優斗。女子もジュニア時代から抜群の強さを誇る小野光希(ハーフパイプ)。姉妹で結果を残している冨田せな、るき(ハーフパイプ)。そして、鬼塚雅(ビッグエア)とメダル候補が続々出場する。

「10代から活躍する日本人選手には世界中が注目、スポンサーが早い段階からサポートしている。平野歩夢が米バートン社と契約したのは小学4年で現在も10社近くのスポンサーがついている。鬼塚雅は練習場のスキー場経営に携わる星野リゾート所属になった。世界的な不景気下でもX系の人気は落ちません」(大手広告代理店関係者)

 X系は五輪やW杯を頂点とする従来の競技よりも歴史が浅く成り立ちも異なる。米スポーツ専門局ESPNが主催する「Xゲーム」を中心に世界中に人気が広がった。注目度が上がるとともに人気選手が集結、レベルも高まったことに目をつけたIOC(国際オリンピック委員会)が五輪種目に採用した。

 国内では冬季の競技は夏季に比べマイナーなイメージもある。国から支給される強化費等も限られ、特にX系などの競技に回される額は少なかった。スノボなどの代表選手が自己負担して海外遠征をするのも当たり前だった。しかし90年代のスノボブーム以降、若年層に才能溢れる選手が多数出現。広くアンテナを張っていた外資系メーカーを中心にスポンサー企業が出現するようになる。

「X系は順位、タイムとともに採点を争う競技で選手が得点を待つ間に必ず映像で抜かれる。板やヘルメット、ゴーグル、ウエアに施された企業ロゴの露出は他競技と比べものにならない。例えば野球のグラブやバットにロゴを出してもかなり小さくて見にくい。板などへの露出面積が大きい分ロゴも目立ちます。また選手着用モデルのギアやウエアを販売すれば人気商品になる。メーカー認知度、実売の両方に多大な影響があります」(X系スポーツメーカー担当者)

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