コロナ禍の厳戒態勢の中、北京五輪が2月4日に開幕。20日の閉会式まで、冬季大会史上最多の109種目が実施される。今季で24回目の開催となる冬季五輪では過去、幾多の名場面が誕生したが、近年は悪い意味で目立ってしまった選手たちもいる。
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■「反省してま~す」
まだ記憶に新しい“お騒がせ男”が、2010年バンクーバー五輪にスノーボード・ハーフパイプの代表として出場した國母和宏だ。騒動の発端は出発前の成田空港だった。他の日本選手と同様に正装の公式ウェアを着用していた國母だったが、その着こなしがネクタイを緩め、シャツの裾を外に出した「腰パン」姿。当時21歳。若者の間では見慣れた“着崩し”ファッションではあったが、ドレッドヘアーと鼻ピアス、サングラスという外見も相まって、「乱れている」、「日本代表として相応しくない」と全日本スキー連盟や日本オリンピック委員会に抗議が殺到した。この服装問題によって入村式の参加を自粛した國母。この時点ではまだ擁護する声もあったが、直後の共同記者会見で再び服装について問われた際に、ふてくされた表情で「チッ、うるせーなぁ」と舌打ちし、続けて「反省してま~す」と空返事。火に油を注ぐ形となった。スノーボーダーとしての才能と実力は確かなものがあったが、世間の反感を買った中、五輪本番でも8位と期待値以下の成績に終わった。
■「ガンガンズンズングイグイ上昇」
國母が出場したバンクーバーの4年前となる2006年トリノ五輪では、女子のスノーボード・ハーフパイプ代表に選ばれた今井メロの『メロラップ』が話題となった。当時18歳。大会前の五輪壮行会に出席した際、トリノへの意気込みをオリジナルラップで表現。マイクを手に「1、2、3、4、ガンガンズンズングイグイ上昇」、「夢に描いたショータイム、デカイ理想は夢じゃない」、「スタート前の深呼吸、夢に向かったフルパワー」と大胆に披露した。だが、このパフォーマンスへの評価が芳しくなく、迎えた大会本番では2回連続で着地に失敗し、あっけなく予選敗退。最後は腰を強打して仰向けのままゴールまでズルズルと滑り落ちた。その無残な結果と『メロラップ』との落差がネタにされてしまい、バッシングの対象にもなってしまった。