先発ローテーション争いはハイレベルだ。エース・菅野智之、昨季ブレークした戸郷翔征、高橋優貴、ベテランの山口俊は確定とみて良いだろう。外国人枠の兼ね合いがあるがメルセデス、新外国人のシューメーカーもこの競争に加わる。「先発6番手」として赤星、11日の紅白戦で1回1失点だったドラフト2位左腕・山田龍聖、新型コロナウイルス感染で3軍スタートなったドラフト1位右腕・大勢らが有力候補だ。この中で将来のエースと嘱望される堀田も仕上がり次第では、支配下登録で開幕先発ローテーションに抜擢される可能性が十分にある。

 若武者たちの躍動とは対照的に、背水の陣を迎えているのがFA移籍2年目の井納翔一だ。昨季は先発、救援で結果を残せず、5試合登板で0勝1敗、防御率14.40。キャンプ地の宮崎市に入った1月27日に受けたPCR検査で陽性判定が出たため、自宅療養に。今月6日から復帰し、急ピッチで調整を進めている。

「若手の台頭で先発、中継ぎ共に層が厚くなり、なかなかチャンスさえ巡ってこない状況になっている。昨年大きく期待を裏切ったことで、序列も下がってしまった。能力は高いのですが発揮しきれていない現状を打破できるか。35歳と若くない。崖っぷちだと思います」(スポーツ紙デスク)

 世代交代の波に飲み込まれず、意地を見せられるか。(安西憲春)