平昌五輪フランス代表のマエ=ベレニス・メイテのパンツスタイルの衣装(写真/GettyImages)
平昌五輪フランス代表のマエ=ベレニス・メイテのパンツスタイルの衣装(写真/GettyImages)

 ヴィットはショーガールがテーマとなっていたショートプログラムで、スカートを身に着けず、腰の周りにフェザーがあしらわれた衣装で演技に臨んだ。スカートを身に着けていないことでスケーティング中には臀部がほぼ露出している状態となり、他国のコーチに「肌の露出が多すぎる」「セクシーすぎる」とコスチュームにクレームが入ることとなった。結果的にISU(国際スケート連盟)が競技中の選手たちの衣装に“カタリナルール”というドレスコードを設けるキッカケとなるのであった。

 新たな規則として「女子選手は(演技中に)必ずスカートを身に着けなければいけない」というものが加わった。これは2003年に撤廃され、今では村主のケースなどもあるようにパンツスタイルでの演技に問題はない。だが「控えめで気品があり、競技にふさわしいものでなければならない」「衣装は過度に肌の露出があるものであってはならない」という決まりもあり、ヴィットがカルガリー五輪で身に着けたような衣装は、現在でも減点の対象となる可能性は高いだろう。

 しかし、「過度に肌の露出があってはいけない」という部分があるものの、具体的に何がダメという文言は含まれておらず、グレーゾーンが存在するルールでもある。かつて男女ペアで活躍し、ソチ五輪では米国代表として団体銅メダルを獲得したマリッサ・キャステリが、同国の女性向けメディア『Bustle』に語ったところによると、過去に減点の対象になる可能性もある「背中が完全に露出した」衣装で試合に臨んでいたこともあるそうだ。

 だが、「(肌の露出が多い衣装で)減点になるギリギリのところまでいったが、実際にはそれは起こらなかった」と自身の経験を語り、「いかに(性的にではなく)上品なものであるかが大事になってくる」と必ずしも肌の露出の“量”だけが減点の理由となるわけではないことを明かしている。実際にルーマニアのスケーター、ユリア・ザウター(出身地はドイツ)は、2014年の国際大会ネベルホルン杯でパンツスタイルの露出が少なめの衣装で演技に臨んだが、得点が減点される事態も起こっている。

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ザウターの減点の理由は?