プロ転向後も順調だ。スポンサー推薦で出場したプロ4戦目の3Mオープンでいきなり2位タイ。続くジョン・ディア・クラシックでも4位タイに入って見せた。そして2週間後のバラクーダ選手権では驚きの初勝利。プロ8戦で翌シーズンのシード権を確定させた。
そしてコロナ禍に見舞われた2020年は、モリカワ自身2度目のメジャー出場となった全米プロゴルフ選手権でメジャー初制覇を達成。第二次世界大戦以降、24歳になる前にこの大会を制したのはジャック・ニクラウス(米)、ウッズ、マキロイに続く史上4人目の快挙だった。
モリカワの勢いはこれだけで止まらず、昨年はWGCワークデイ選手権で優勝すると、全英オープンでメジャー2勝目。当時モリカワは24歳だったが、メジャーとWGCの両タイトルを25歳までに獲るのはウッズに続く史上2人目の偉業で、まさにスター街道まっしぐらというわけだ。
飛距離全盛のPGAツアーだが、モリカワは決して飛ばし屋ではない。身長も175センチと高くなく今季の平均飛距離は297.3ヤードで112位。パワーではライバルたちと比べ見劣りするが、それでもここまでの成績を挙げられるのには、非凡なショットの精度にある。
モリカワのショットについては、モリカワが尊敬するウッズも「彼(モリカワ)は大きなミスをしない。安定感がずば抜けたアイアンプレーヤーだよ」と舌を巻く。
そしてその前兆は、プロ入り前からあったようだ。米「ゴルフダイジェスト誌」によると、カリフォルニア大バークレー校時代のモリカワが弾道測定器でショットのバラつきを調べると、モリカワの6番アイアンでのバラつきは、ツアープロの平均的なバラつき、しかもプロがPWでショットしたときのものと同じだったというから驚きだ。
スタッツを見てみると、今季のモリカワのパーオン率は79.17%でトップ。ストロークス・ゲインド(アプローチ・ザ・グリーン)も8.425で4位となっており、確かにショットの正確性がデータでも読み取れる。