「こういうところ」「ちゃんとする」という言葉を、何も考えずに使っていましたが、実はこれらの言葉は具体性がなく、非常にぼんやりしたものなのです。
■具体的に言えば行動に移しやすい
よく、献立を考える際、家族などに「何か食べたいものある?」と聞いたときに一番困るのは「なんでもいい」という答えだといいます。
これも、返事をしているようにみえて、中身がごっそりない、いわば言っても言わなくても同じ言葉です。具体性がゼロなことを言われても、行動する気持ちが湧きにくいのです。
もし、「ハンバーグと、コーンスープが食べたい」と具体的な名前、メニューを挙げた言い方なら、今から何をすればいいかが明確になります。
さらに、レシピの本や、包丁、まな板、材料など必要な用具も用意してあれば、より行動に移しやすくなるでしょう。
このような病院や献立の例からもわかるように、「勉強しなさい」という言葉も、実はかなり漠然としたものなので、行動に移しづらいのです。
■「勉強しなさい」より「宿題の計算ドリルをやってみて」
ただでさえ、子どもに勉強しようという気持ちにさせるのは難しいことです。
ですから、中身がないおぼろげな言葉だけ投げかけても、子どもに響くわけがないのです。
本当に勉強させたいならば、子どもが動くような、具体的に誘導する言葉を用いたほうがよいのではないでしょうか。
「勉強しなさい」という相手まかせのあいまいな言葉を丸投げするのではなく、せめて連絡帳の内容くらいは把握して、「宿題の計算ドリルをやってみて」と提示したほうが、行動に結びつきやすくなるでしょう。
さらに、カバンの中にしまってあるドリルと筆箱を出すことにより、勉強するに至るまでのハードルを下げることができます。
もっと具体的にするなら、時間の指定や、明確な利点を付け加えるのもいいでしょう。「何時から」と伝えることで、心の準備ができて、気持ちの区切りをつけやすくなります。
さらに、「何時からなら手伝える」と親が手助けできる時間を言えば、その時間から始めるメリットができます。