子どもに投げかける言葉は大切。※写真はイメージ (c)GettyImages
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 親が子どもに対して言ってしまう言葉のナンバーワンは、「勉強しなさい!」かもしれません。誰もが、口にしたこと、されたことがあるのではないでしょうか。

 しかしこの言葉は、実はあまり中身がない、「ぼんやり」したものです。ですからこの言葉を言ったとて、行動させるのはなかなか難しいように思います。

■「ちゃんと」の内容を具体的に伝える

 先日、病院に行ったときのことです。私は小2の息子に向かって、「こういうところでは、ちゃんとしていてね」と伝えました。

 しかし、受付でなかなか名前が呼ばれず待ち時間が長くなってくると、息子は徐々に足をバタバタさせたり、イスの上に寝そべろうとしたりし始めたのです。

「ちゃんとして、と言ったのに」と思いつつ、暇をもてあました息子を注意しようとして……ふと、「この言葉は、あまりに漠然とした抽象的なものではないか」とハッとしました。

 実際のところ、私は息子に対して「ちゃんとして」と言っただけで、具体的に何をすべきなのか、何一つ伝えていなかったのです。

 本当なら、「イスから降りずに座って、小さな声で話して。大きな音はたてないで、動くときは走ったりせずに歩いてね」というように伝えるべきでした。

 さらに言うなら、「こういうところでは」という言葉も、ぼんやりしていて、あまりに説明不足です。

 病院とは、体調がよくない人たちがたくさんいるところです。大きい音を出すと、頭が痛くなったり具合が悪くなったりする人がいるわけです。

 そうした理由も併せて話しておけば、因果関係から、「してはダメな行動」も理解できたでしょう。

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