山田美保子・放送作家、コラムニスト
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 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が楽屋の流行(はや)りモノを紹介する。今回は『フジパン』の「スナックサンド」を取り上げる。

【写真】携帯できるサンドイッチの元祖「スナックサンド」

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『週刊朝日』創刊100周年、おめでとうございます。

 実は当連載は『朝日新聞』夕刊の隔週連載から引っ越してきた、あまり聞いたことのない御縁で永く続けさせてもらっている。“御縁”と言えば、『ドデスカ!』(メ~テレ)出演のため、私が丸10年も通う名古屋に本社がある『フジパン』も100周年!

 同社と『ドデスカ!』とは、定期的にコラボ商品を開発する間柄で、MCの望木聡子アナ作の愛らしいイラストをパッケージにした各商品は東海3県で、よく売れてきた。

 もちろん、森七菜さんが「スースス、スナックサンドです」と歌う「スナックサンド」のCMは番組内で必ず聴けるので、いま私がもっとも口ずさむ歌と言っていいほどだ。“携帯サンド”の元祖「スナックサンド」は1975年に誕生した。

携帯できるサンドイッチの元祖「スナックサンド」。今年創業100周年の「フジパン」が1975年から販売している、ロングセラー商品だ。定番のタマゴ、ツナ&マヨ、ピーナツをはじめ、惣菜系を中心に、スイーツ系、地区限定など、月替わりで様々な味を取り揃える。ラインアップは常時40種類以上だ。「スナックサンド」フリープライス(タマゴ、ツナ&マヨ、ピーナツの参考価格は税込み147円)全国のスーパー、ドラッグストアなどで販売中。
携帯できるサンドイッチの元祖「スナックサンド」。今年創業100周年の「フジパン」が1975年から販売している、ロングセラー商品だ。定番のタマゴ、ツナ&マヨ、ピーナツをはじめ、惣菜系を中心に、スイーツ系、地区限定など、月替わりで様々な味を取り揃える。ラインアップは常時40種類以上だ。「スナックサンド」フリープライス(タマゴ、ツナ&マヨ、ピーナツの参考価格は税込み147円)全国のスーパー、ドラッグストアなどで販売中。

 当初は中部・関西地区のみの発売だったというが、斬新な形状と長く保存できるサンドイッチとして一気に注目を集め、工場での生産が追い付かないほどの人気商品に。翌年には関東地区でも発売されるようになった。

 長持ちの秘密は、食パンの耳の内側で四方を圧着して密閉させ、中身の具材を直接外気に触れさせないから。

 さらに当時、家庭では主流だったポップアップトースターでも加熱することができ、流行り始めていたホットサンドが手軽に作れる点を訴求したのだそうだ。

 そういえば、私が子供の頃にはかなりの確率で家にあったホットサンドメーカー。なぜか作る担当は父だったが、焼き加減が意外と難しかったり、内側に具材がこびりついたりして手入れが大変だったと記憶する。

 現在もカフェブームからホットサンドは大人気。そうか、「スナックサンド」をトースターで焼けばいいのか。これは簡単だし、美味しそうだ。

 もちろん、小腹が空いたときに出先で気軽に食べられるサンドイッチとしてテレビ局ではロケ隊やリポーター陣に大人気。また、楽屋に用意されるお菓子籠の中に「スナックサンド」が入っていると、特に女性アイドルが大喜びしている。

 森七菜さんが歌でも紹介している中身はタマゴ、ピーナツ、ツナ&マヨ。100周年の『週刊朝日』も「楽屋の流行りモノ」も「スナックサンド」のように「♪ランラララン」と末永く愛していただけますように。

山田美保子(やまだ・みほこ)/1957年生まれ。放送作家。コラムニスト。「踊る!さんま御殿!!」などテレビ番組の構成や雑誌の連載多数。TBS系「サンデー・ジャポン」などのコメンテーターやマーケティングアドバイザーも務める

週刊朝日  2022年2月25日号