しかし、総合7位という素晴らしい結果にも、りくりゅうの目線は下がらない。木原は、五輪が終わると注目度は下がるだろう、と冷静に分析した上で、
「好成績を出して『挑戦してみよう』という子が出て来てやっと報われる。僕たちはそれまで変わらず走り続けます」
と力強く語った。
優れたスケーティング技術や難易度の高いリフトをこなせる身体能力ばかりではない。二人が醸し出す多幸感は、海外メディアや解説者にも高く評価されている。「もう一度彼らの演技を見たい」と思わせる印象は、五輪という祝祭が終わった後にこそ、真価が発揮されるに違いない。りくりゅうにとって、五輪7位の快挙は決してゴールではないのだ。(菱守葵)
※週刊朝日オンライン限定記事