■ウイスキーに蜂蜜
次は、ウイスキー。ハイボールはすっかりおなじみだが、堀川さんのおすすめははちみつレモンだ。ウイスキーに蜂蜜、レモン果汁を入れて混ぜてから、氷と炭酸水を注ぐ。
「氷を先に入れると蜂蜜が溶けない。氷は必ず後に入れてください」
蜂蜜が白く固まっているときは、容器ごと湯煎すると溶ける。しばらく置いて、冷めた段階で作るといい。
ワインを使ったカクテルも3種教えてくれた。スプリッツァー(白ワインの炭酸水割り)、オペレーター(白ワインのジンジャーエール割り)、ヴァンショー(ホットワイン)だ。
白ワインカクテルはそれぞれ、炭酸水、ジンジャーエールと割るだけ。ただしそれぞれ、レモンピールと生姜を添えるのがポイントだ。
「レモンの皮を、500円玉ほどの大きさに削ぎ切りします。グラスに向けて斜め45度の角度から、黄色い皮の面をグラスに向け、内側に弛ませます。すると香りが飛び、爽やかさが増しますよ」
温めるのが手間と思われがちなヴァンショーは、材料を入れてレンジでチンすればいい。ドライフルーツにこだわれば、毎回違った味わいが楽しめる。
「温めた後、5~6分そのまま置くことで、ドライフルーツの成分が赤ワインににじみ出ます」
最後は、ノンアルコールカクテルをどうぞ。お酒が苦手でも子どもでも、アルコールを控えたい夜でもほっこり楽しめる。りんごジュースにレモンジュース、すりおろしりんごとシナモンスティックを加え、レンジでチンするだけでいい。
■おいしく作るポイント
かんたんなのに、意外でおいしい。宅飲みの世界を広げてくれるアイデアだが、堀川さんによると、おいしく作るには、少しだけこだわってほしいポイントが三つある。ひとつは、氷だ。
「氷によってカクテルの味は大きく左右されます」
家庭の冷蔵庫の製氷皿で作る氷は溶けやすい。氷店から氷を手に入れアイスピックで割るのは、ハードルが高過ぎる。コンビニで売られているかち割り氷を使うのがおすすめだ。
もうひとつは炭酸水。粒がきめ細やかな炭酸水がいいという。
「私は以前、先輩に『(炭酸の)一粒一粒をお客様の口に届けなくてはならない』と言われたことがあります。炭酸によって清涼感が出るので、繊細な炭酸を極力抜けないようにする」
炭酸水はよく冷やし、グラスに注ぐときは炭酸が壊れないよう、氷に当てないように液体に向けてそっと注ぐといいという。
「自分好みの炭酸水を見つけるのも楽しいですね。いろんな炭酸水を買って飲み比べができるのも、自宅飲みならではです」
三つめはグラスだ。味わうには、薄いガラスで作られたグラスがいいという。
「口に当たる部分が薄いほど、口の中に一気に味が広がり、軽やかにいただけます」
かんたんでも十分おいしいカクテルだが、同じカクテルでも作るバーテンダーによって味が違うという。
「ご自身で作られた味、バーテンダーごとの味。コロナ禍が落ち着いたら、それぞれの違いを確かめにぜひバーへいらしてください」