photo 写真部・戸嶋日菜乃
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 コロナ禍も3年目、バーでゆっくり会話とお酒を楽しむ機会が減った人は多いはずだ。ちょっといい国産のお酒で一味違うカクテルをプロに提案してもらった。AERA2022年3月7日号から。

【写真】バーテンダーがそっと教える「おうちカクテル」を写真で紹介!

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 あまりのおいしさに驚嘆した。この日本酒カクテル、簡単なのに味わい深い。

 末廣純米吟醸(日本酒)に混ぜるのは、なんと飲むヨーグルト! それにレモン果汁とガムシロップ、炭酸水を加えている。日本酒好きの記者は「もったいない」と少し複雑だったものの、実際に飲むと「日本酒の世界が広がった!」と感激した。

「ガムシロップは少量入れるだけで味に厚みがでます。ぜひ入れてみてください」

 そう堀川賀正さんは言った。このカクテル、東京・銀座の「BAR堀川」代表の堀川さんが提案してくれたものだ。

photo 写真部・戸嶋日菜乃
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 コロナ禍も早3年目、以前のようにはお酒を楽しむ時間が持てない日が続いている。飲食店も苦境が続き、影響は酒類卸売業や小売業を直撃した。東京商工リサーチによれば、2020年(1~12月)の休廃業・解散件数は、酒類卸売業が109件(前年比36.2%増)、酒小売業225件(同11.9%増)と過去10年間で最多を記録。小売業は家飲み特需で売上高は前期比6.5%増だったが、減収企業が全体の7割と大幅に増加した。純利益は2期連続減益だった。

■芋焼酎に豆乳コーヒー

 バーで飲む機会が減り、味気ない日々を過ごしている人は多いはずだ。まずは自宅でお酒を楽しむ時間を取り戻せないかと、堀川さんに相談し、実現したのがこの企画だ。

 堀川さんが考案してくれたのは、日本酒、焼酎、ワイン、ウイスキーを使った、特別な道具がなくてもかんたんに作れるカクテル。使うお酒はすべて国産だ。出てきたアイデアは冒頭の日本酒から、驚きの連続だった。

 特に意外性があり、しかも味わい深かったのが、芋焼酎と豆乳コーヒーの組み合わせと、麦焼酎とマーマレードだ。芋焼酎1に対して豆乳コーヒー2を加えるだけ、麦焼酎にマーマレードを加え、炭酸水で割るだけの手軽さだ。芋焼酎、麦焼酎、それぞれのよさが生きている。

「芋と乳製品は実は相性がいいんです。スイートポテトもあるでしょう。麦焼酎には、実はパンに合うものはたいてい合います。今回はマーマレードにしましたが、お好みのジャムで作ってみてください」

 焼酎カクテルは明らかに飲みすぎ注意。飲みやすく、ついくいくい飲んでしまう。

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堀川賀正さん考案「おうちカクテル」のレシピを写真で紹介!