中日の根尾昂
中日の根尾昂
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 開幕1軍への生き残りに向け、若手たちはオープン戦で結果が求められている。

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 立浪和義監督が就任して復活を目指す中日は、若手を育てながら勝利を目指す方向にシフトしている。昨季はリーグワーストの405得点と深刻な貧打に苦しんだ。今年は木下拓哉、ビシエド、大島洋平以外のポジションはレギュラーが白紙に。横一線の競争で選手たちのモチベーションは高い。3年目の岡林勇希は実戦で結果を残して、1番で起用されている。同じく3年目の石川昂弥も2月27日の楽天戦で左翼席に特大のアーチを放った。まだまだ課題は多いが、三塁のレギュラーだった高橋周平を二塁にコンバートしたことから、首脳陣も石川を我慢強く起用する方針だろう。パンチ力に定評があるドラフト2位の鵜飼航丞も6試合連続安打をマークするなど外野のレギュラー獲りに向けて、アピールしている。

 その中で、開幕1軍の当落線上にいるのが根尾昂だ。春季キャンプでは立浪和義監督、中村紀洋、森野将彦良打撃コーチがつきっきりで指導する姿が見られた。今月8日のオリックス戦で山岡泰輔から右中間フェンス直撃の二塁打を放つなど光るものを見せているが、スポーツ紙デスクは「根尾はもう少し時間がかかるでしょう」と分析する。

「入団して3年間、1軍どころかファームでも目立った結果を残していない。大阪桐蔭で活躍した時の輝きが消えてしまっています。立浪監督が就任し、もう一度土台から作り直している途中です。結果に一喜一憂せずにフォームを固める事が最優先で、開幕1軍にこだわらなくていいと思います」

 時が経つのは早い。根尾はプロ4年目を迎えた。大阪桐蔭で2年春、3年春、夏と全国制覇を達成。最速150キロの直球を武器に春のセンバツ大会で史上初の2年連続優勝投手に輝き、打撃でも高校32本塁打と「二刀流」で躍動した姿は記憶に新しい。2018年のドラフトで中日、ヤクルト日本ハム巨人の4球団が1位で根尾を指名している。プロでは野手一本を決断。遊撃でレギュラー獲りを狙ったが京田陽太の高い壁に阻まれ、今年から外野手登録になった。

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