サウナでは、軽い運動程度の負荷がかかる。そのため、入浴時間の目安として、軽い運動時(人によって軽い運動の程度は異なる)の脈拍を普段から計測しておき、それを目安にその脈拍に到達したらサウナからあがるという方法も勧めている。

「私の場合、心拍数120回の軽い運動程度の脈拍を目安にしています」

 1日2回(1回あたり1時間)の連日のサウナ入浴で7人中5人の女性が月経不順になったというデータもある。1日2回以上、毎日入るような高頻度のサウナ浴や、回数は少なくても一回一回が大きく負担のかかるサウナ浴は推奨されておらず、週2~7日の範囲で極端なサウナの入り方を避ければ健康を害する心配もなく、安全に入浴できる。

 ちなみに、フィンランドにおけるサウナでの高体温症による死亡事故のうちの9割は飲酒によるものであるため、飲酒後のサウナは厳禁だという。二日酔いでのサウナも脱水症状になりやすいため控えたほうがいい。サウナを出た後の飲酒も、脱水になりやすいため注意が必要だ。脱水予防のため、先にたっぷり水分を補給してから飲むことが大切だという。

 人気上昇中のサウナだが、正しい知識を知って、安全に楽しんでほしい。

(文/石川美香子)

○加藤容崇(かとう・やすたか)/ 日本サウナ学会代表理事・慶應義塾大学医学部特任助教。1983年、群馬県生まれ。北海道大学医学部卒。専門はがんの遺伝子検査とがん(主に膵臓がん)研究。第二の専門は予防医療としてのサウナの研究で、日本サウナ学会を2019年に設立。株式会社100plusも設立し、サウナ室内混雑リアルタイム表示システム&アプリ「サの国」(22年5月公開予定)や「ととのう」を数値化するデバイス・アプリを開発している。著書に『医者が教えるサウナの教科書』(ダイヤモンド社)などがある。

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