無事にMBAが取れたら今度は船舶免許を取って、大好きな海釣りに妻と娘をつれていくのが次の目標。気象予報士を目指して勉強中の妻は海の気候に興味津々なので、海を一緒に楽しめると思うとワクワクします。

 時にはけんかもするけれど、コミュニケーションをとって解決し、互いの価値観を尊重し合える夫婦でいたいですね。

妻 吉永恵実 [46]国連大学サステイナビリティ高等研究所 プログラム・コーディネーター

よしなが・えみ◆1975年、横浜市生まれ。米ジョンズ・ホプキンス大学国際関係大学院を修了後、オーストリア、カンボジアで日本外務省の在外公館に勤務。その後アジア開発銀行などを経て、2018年から現職。水に関する研究事業の管理・広報などを担当

 夫はとても純粋なところがある一方で、枯れたような達観した面もあり、少年と老人が同居するようなところが面白くて興味を持ちました。

 独身時代は「日常」が嫌いで、暇さえあれば外出したり旅行したりと変化を求めていた私ですが、家族を持ったことで特別な行事などなくても日常こそが楽しいのだと思えるようになりました。

 今は夫が作る手料理を囲んだり、ベランダで子どもと星を数えたり、次の誕生日やクリスマスには何を食べようか、といった話をしているだけで幸せだなと感じられます。またいつか海外で仕事をしたいと思う半面、こんな穏やかな日々を愛しくも思います。

 今は仕事、育児、そして勉強に忙しくて、朝数分キッチンで話をするのがやっとという日が多いけれど、いつもそばで見守り、支えてもらっていると感じます。夫も子どもも自分の思い通りになる存在ではないことを肝に銘じつつ、適度な距離感を保ちながら、いつまでも日常を楽しめる関係でいたいな。

(構成・森田悦子)

AERA 2022年3月14日号