日本でもスポーツ選手同士が結婚することは珍しくはないが、夫婦ともにトップアスリートというのは稀だ。これは世界を見回しても同様だが、中にはトップクラスのアスリート同士が結婚に至ったケースも存在する。
同じ競技のトッププレイヤー同士で結婚したのがテニスのアンドレ・アガシとシュテフィ・グラフ。テニスファンでなくとも一度は聞いたことのあるようなスター選手の2人はやはり経歴を見ても凄い。夫のアガシはキャリアグランドスラムを達成し、通算のグランドスラム勝利数は8回。1996年には自国で開催されたアトランタ五輪で金メダルを獲得し、世界ランキング1位の在位期間は歴代9位(101週)となっている。
妻のグラフも説明不要の伝説的プレイヤーだ。88年にはテニスプレイヤーが最も達成することが難しいとされるゴールデンスラム(五輪+四大大会で優勝)を男女通じて成し遂げた唯一の選手に。グランドスラム制覇は夫を大きく上回る通算22回で、ダブルスでも88年の全英で優勝。世界1位の在位期間は歴代トップ(377週)であり、夫とともに殿堂入りも果たしている。テニスは世界で5番目に競技人口が多いとも言われており、その人気スポーツで互いに頂点まで上りつめた2人を“世界最強の夫婦”と呼んでいいだろう。
選手時代に獲得した賞金総額を見ても、アガシが3115万2975ドル(約36億5000万円)、グラフが2189万5277ドル(約25億7000万円)と合わせて60億円以上の大金を夫婦で稼ぎ出している。
2001年の結婚後、夫婦の間には2人の子どもが誕生しているが、長男のジェイデンは野球で才能を発揮。高校時代から投打の二刀流として活躍し、2020年にはドラフト候補になったことで話題となった。現在は名門・南カリフォルニア大学でプロ入りを目指してプレーしている。テニスで成功を収めた2人の子どもがメジャーリーグで活躍するのも非常に夢のある話だ。