(週刊朝日2022年4月1日号より)
(週刊朝日2022年4月1日号より)

「放送局は男性の多い職場で、京大の教室の男女比と似たようなものでした。男性の多い環境で4年間を過ごしたことは、見方を変えれば、社会人としてやっていくうえでの素地になったと思っています」

 こう学生時代を振り返るのは、経済学部出身で元NHKアナウンサーの大成(おおなり)安代さん(35)。当時、クラス内の4分の3は男子で、所属していた放送サークルでも、女子は2割程度。少数派という自覚はあったものの、特別扱いされた記憶はないという。

「今思えば『女子扱いされたくない』という意地もあったかもしれません。男性が多いからといってこびたくない、対等でいたいという心持ちでした」

 京大を目指す女子学生に向けて、大成さんはこう話す。

「やりたいことがあれば男女比は気にならないと思います。京大には熱量を持った人が多い。授業やサークルなど、人によって内容は異なると思いますが、熱意を持って取り組めば、性別に関係なく受け止めてくれるだけの環境があることはお伝えしたいです」

 自分の希望を重視して、といった意見は東大側からも聞かれた。

 現役の女子東大生が企画や取材、編集をし、大学構内で配る「biscUiT(ビスケット)」編集部の河紐羅(はゆら)さんは言う。

「入学しておかしいと感じることがあれば、私たちのような団体に入って変えていくこともできます。進路を選ぶときは、女子率や社会からの見え方はいったん置いて、自分がやりたいことを第一に考えてほしいと思います」

(本誌・松岡瑛理)

週刊朝日  2022年4月1日号より抜粋

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