その大島以上に再招集を考えたいのが、不世出のドリブラー、中島翔哉(ポルティモネンセ)だ。森保ジャパン発足当初は背番号10を背負って左サイドから幾度となくチャンスを創造したが、2019年以降は故障と移籍の失敗などにより所属クラブでのプレー機会を失い、代表からも遠ざかった。最終予選の中で三笘薫(ユニオン・サンジロワーズ)という救世主が誕生したとはいえ、本大会へ向けてはもう一度、戦力を整備すべき。改めて南野拓実のプレーエリアが中央にあることを認識した上で、今季から古巣に戻って復調気配を見せている元エースを代表に呼び戻すことも有効な手段になる。

 懸念材料だった中島の守備面も、4-3-3の左ウイングならば負担が軽くなり、時に“独りよがり”に映った強引なドリブル突破も、ウイングプレイヤーとしては不可欠な能力として、より生きてくる。仮に中島のコンディションが上がらなかった際には、ドイツで評価を高めている25歳の“両利き”ドリブラー・奥川雅也(ビーレフェルト)の招集も考えたいが、いずれにしても伊東純也(ヘンク)、久保建英(マジョルカ)、堂安律(PSV)と揃う「右」に比べて「左」は手薄。三笘以外に切り札をもう一枚を持っていれば、三笘のスタメン起用もしやすく、選手交代のバリエーションも増えるはずだ。

 最後の問題が、1トップのFWである。予選では実績のある大迫勇也(神戸)の起用にこだわったが、本大会を見据えると、伸び盛りの上田綺世(鹿島)を軸にすべき。その他には古橋亨梧、前田大然(ともにセルティック)と実力十分の2人がいるが、森保ジャパンの1トップでは能力を発揮し切れていないのが現状だ。そこで招集リストに加えたいのが、今季からJリーグに復帰して存在感を示している鈴木優磨(鹿島)だ。2020-21シーズンにベルギーリーグで17ゴールをマークした得点力は、日本人FWの中では間違いなくトップクラス。プレーエリアも広く、前線での起点だけでなく、シャドーにもサイドアタッカーにもなることもでき、試合途中から上田との「アントラーズ2トップ」の形成も可能だ。森保監督との不仲説などが指摘されているが、世界と戦うためには強い個性が、特にストライカーには必要。まだ25歳。このままJリーグで得点を重ね続けて「待望論」が盛り上がれば、森保監督も無視できないはずだ。

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過去にも起きた“サプライズ招集”はあるのか