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 三菱自動車も労働生産性と人件費が減っていた。一人当たりの労働生産性がマイナス370万円と赤字になっており、労働分配率もマイナス60%と“異常値”を出している。

 しかし、マツダは22年3月期の業績は2年ぶりに黒字転換する見通しで、三菱自動車も21年4~12月期の決算で3年ぶりの黒字となっており、今年の春闘では労働組合の要求に「満額」回答を出している。今後もどこまで賃上げできるかが注目される。

 機械でもコニカミノルタ、ダイキン工業、小松製作所など労働生産性が減少している企業が目立つ。こうした中で堅調に労働生産性を伸ばしているのが、東京エレクトロンだ。労働生産性の伸び率は41%、人件費も4%伸びている。労働分配率のほうは7%から5%に減っているが、業種平均の34%と比較しても、かなり低い数字になっている。

「人件費は増加しており、人に対する投資を行っていることが伺えるが、労働分配率は5%にとどまっている。労働生産性の伸び率に比べて、人件費の伸び率が低いと見ることもでき、分配率を上げる余地はまだあるように見えます」(東京商工リサーチ)

 小売では、労働生産性を高め、人件費が増加している企業が目立つ。

 スーパー大手のライフコーポレーションの労働生産性の伸び率を見ると13%、人件費も4%伸びた。コロナ禍で家で調理する内食需要が増えており、業績が良くなったと見られている。労働分配率は78%から72%に落ちている。17年から20年は77~78%で推移しており、今後、この水準まで人件費があがってくる可能性はある。

 反対に総合スーパーマーケットであるイトーヨーカ堂の数字は思わしくない。労働生産性はマイナス1%、人件費はさらに大きく、マイナス3%だった。労働分配率は17年の89%から毎年減っており、21年は82%にまで低下している。

 百貨店の高島屋も厳しい状況になっている。労働生産性はマイナス42%で、人件費も8%減っている。労働分配率は前年の70%から112%と増え、100%を超えてしまっている。コロナの影響で営業利益が大きく減少しており、その減少分を人件費に反映できていないのが表れている形だ。業績の回復が見込めなければ、より一層の人件費の削減も考えられる。

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