そんな中である程度順調に戦力となっている選手ももちろん存在している。特に貢献度が高いのがオリックスのビドルとバレラだ。リリーフ左腕のビドルはここまで5試合連続で無失点を記録し、イニングを上回る6奪三振もマークしている。ストレートはコンスタントに150キロ前後をマークしており、コントロールに大きく苦しむような場面も見られない。被安打3本がいずれも左打者相手というのは少し気になるものの、右打者をしっかり抑えているというのは好材料だ。今後も中継ぎの一角として期待できるだろう。
バレラは3月29日に一軍デビューし、いきなり2安打をマーク。4月7日のソフトバンク戦でも一時は逆転となるツーランを放っている。打率はそこまで高くないが、四球を多く選んでおり出塁率は高く、犠打を決めるなど小技もできる。セカンドを守れるというのも来日する外国人では珍しいが、繋ぐ役割を担う選手として貴重な存在となりそうだ。
セ・リーグではマクブルーム(広島)もまずまずのスタートを切った。一軍合流後2試合目からは4番として起用されると次の試合では決勝打となるタイムリーツーベースを放ち、4月7日の巨人戦でも来日1号となる同点ツーランでチームの勝利に貢献した。昨年所属していたクロンと比べてもタイミングをとる動きが小さく、対応力もあるように見える。このまま4番に定着できるかがチームの命運を握ることになりそうだ。
まだまだシーズンは始まったばかりで、シューメーカー(巨人)など一軍に合流していない期待の選手も少なくない。夏に向けて調子を上げてくる選手は毎年いるだけに、ここから本領発揮する選手が出てくることを期待したい。(文・西尾典文)
●プロフィール
西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員