ここまで挙げた面々の共通点は「1シーズンのみ2ケタ得点」であるが、その条件に当てはまる選手に、G大阪時代に“浪速のアンリ”と呼ばれた平井将生もいる。武器は加速力。G大阪ユース時代から期待され続けながらトップ昇格後4年間はなかなか出番を得られなかったが、5年目の2010年に2トップの一角に抜擢されると得点能力が一気に爆発。タイミングの良い飛び出しからゴールネットを揺らし、日本人選手では前田遼一に次ぐリーグ5位タイの14得点を挙げる活躍を見せた。だが、翌年以降は外国人FWとのレギュラー争いに敗れて出番を減らし、新潟、福岡、北九州でもプレーしたが、得点数は低迷した。だが、2010年の“輝き”は眩く、ゴール後の“阿波踊りパフォーマンス”も記憶に残っている。

 Jリーグ30年。改めて、大久保嘉人、佐藤寿人、興梠慎三、中山雅史、前田遼一らの旬の長さ、凄さを感じるが、例え短くても「強く輝いた」日本人ストライカーたちがいたことも忘れられない。彼らの「旬」が短くなった理由は三者三様だが、たとえ1シーズンでも結果を残したことは優れた能力を持っていたことの証左であり、彼らもまたJリーグを華やかに彩った名選手たちである。(文・三和直樹)

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