「地頭のよくない私が東大合格を勝ち取ることで、努力すれば目標は達成できるということを、周りの人に伝えたい気持ちがありました」
その願いが、勉強のモチベーションとなった。
睡眠時間はしっかりと確保したかったので、毎日夜11時に寝て、朝7時に起きた。母親の協力もあり、食事の時間も一定。規則正しい生活を送った。
起きている16時間のうち、最長15時間半を勉強に割いた。
「すきま時間には、単語を思い浮かべたりするなど頭の中で復習しました。机に向かって勉強を続けて煮詰まってきたら、おいしい紅茶を飲みながら、さっきの問題はどういうふうにすればいいのかと考えるようにしました。リラックスして考えると、問題のハードルが下がることもあったんです」
猛勉強のかいあって、見事に合格。教養学部で学ぶうちに、生涯教育やメディアでの仕事にも関心があることなどがわかってきたという。
「受験生の皆さんは、時に悩んだり諦めたりしそうになるかもしれません。そんなときは、達成したい目標と理由を思い起こしましょう。目標を追い続けるあなたは、ほんとうにかっこいい。その存在だけで周りの人は勇気をもらえるんですから」
(取材・文=菊地武顕[本誌])
※週刊朝日 2022年4月22日号