林:奥さまはこの本、なんておっしゃってるんですか。

マキタ:僕は見せてません。読んだらムカツクことだらけだと思うので。こっそり読んでるかもしれませんけど。

林:私たちはネイティブな山梨県人で、それを隠していませんけど、本当は山梨生まれのくせに、東京生まれだと言い張ってる芸能人もいますよね。

マキタ:山梨を否定するどころか、抹消してる人もいますからね。僕、山梨市の万力公園にある根津嘉一郎(山梨県出身の実業家)の銅像の隣に、自分の銅像を建てたいと思ってるんです。ちょっとバカバカしいとも思うけど、ロマンがあると思うから。

林:今日みたいに、ベレー帽かぶった銅像を(笑)。

マキタ:僕、山梨に対しては思うところがあって。若いころは、山梨を低く見て「見てろよ、俺は東京で成功してやる」なんて言ってるうちに、気持ちがどんどん変わってきたんですよね。この年になって子どもを育てたり、人並みに自分のアイデンティティーみたいなことを気にし始めて、生まれ故郷の山梨とようやく向き合える気分になってきたんです。

林:いいことじゃないですか。

マキタ:そのタイミングで山梨のYBSで自分の冠番組(「マキタ係長」)を持つことになって、いまもやってますけど、もっと山梨をおもしろくしたいなと思うようになってきましたね。

林:私は山梨県のワイン県副知事とか、いろいろやってますけど、マキタさんもいろいろなさってるんでしょう?

マキタ:僕も山梨市の観光大使をやらせてもらってます。

林:私、桃の季節に編集者の人たちとバスに乗って山梨に行って「桃見の会」というのをやってるんですよ。この2年、コロナで行けなかったので、今年は落ち着いたタイミングで行けたらいいなと思ってるんです。

マキタ:僕もギター一本かついで行きますよ。

林:ほんとに? 楽しみです!

(構成/本誌・直木詩帆 編集協力/一木俊雄)

マキタスポーツ/1970年、山梨県生まれ。28歳のときに芸能界デビューし、音楽と笑いを融合させた「オトネタ」を提唱。各地でライブ活動を行うほか、ドラマ、映画、バラエティー、ラジオなどで幅広く活躍。2012年の映画「苦役列車」で第55回ブルーリボン賞新人賞、第22回東スポ映画大賞新人賞を受賞。著書に『越境芸人 増補版』『決定版 一億総ツッコミ時代』『すべてのJ−POPはパクリである』など。3月、自身初の小説『雌伏三十年』を出版した。

週刊朝日  2022年4月22日号より抜粋

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