「ランキングの指標は、教育リソースが34%、教育充実度が30%、教育成果が16%、国際性が20%という割合で各大学を評価しています。東北大学はこの4分野すべてでバランス良く非常に高い評価となっています。例えば外国人学生の比率という点で見ても、東北大は東大よりも高く、国際性のポイントで差が付いた要因となっています」

 四つの分野ごとに上位大学を見てみよう。

(週刊朝日2022年4月22日号より)
(週刊朝日2022年4月22日号より)

 教育リソースは、学生1人あたりの資金や教員比率、教員1人あたりの論文数や大学合格者の学力などといった項目で評価される。その結果、1位の東大や2位の東京医科歯科大といったように入試偏差値も高く、学生1人あたりの研究予算も多い旧帝大や医科単科大が上位に入っている。

(週刊朝日2022年4月22日号より)
(週刊朝日2022年4月22日号より)

 教育充実度では、在籍している学生を対象にした大学の満足度や教員との協働学習の機会、といったアンケート結果のほか、高校教員への各大学へのイメージ調査をもとに評価している。1位の国際教養大や2位の国際基督教大のように、少人数制で教員との距離も近い大学が上位についた。

(週刊朝日2022年4月22日号より)
(週刊朝日2022年4月22日号より)

 教育成果は、学生の主な進路先となる企業と研究者に調査した人事評価をもとに算出している。1位の京大や2位の北大のように、企業だけでなく大学研究機関へも多くの人材を輩出している旧帝大が総じて並んだ。

(週刊朝日2022年4月22日号より)
(週刊朝日2022年4月22日号より)

 国際性は外国人学生や教員の比率、日本人学生の留学比率や外国語で行われている授業の比率が評価項目だ。学生の約半数を留学生が占める立命館アジア太平洋大と、国際基督教大が1位、2位に入った。

 東北大は、これら四つの分野すべてで唯一、トップテンに入り、3年連続の日本一になったというわけだ。

 18位の会津大や24位の立命館アジア太平洋大のように、一般の大学受験ではなじみが薄い大学が上位に来ているのも、教育充実度や国際性といった入学後の教育が高く評価された形だ。

 これらの結果を踏まえた日本の大学教育の課題は何か。ベネッセグループの担当者は「大学の国際化が重要」と警鐘を鳴らす。

「少子化が進む日本国内だけだと、トップの大学を含め、50年後に経営が成り立たなくなるのは目に見えています。そのためには、日本の大学がもっと世界から認知される必要がある。その思いで、このランキング日本版をもっと世界に発信していきたいですね」

 今回のランキングを、多様な視点から大学を評価する際の参考にしてほしい。(河嶌太郎)

週刊朝日  2022年4月22日号

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