
大宜味村のセンテナリアン(100歳以上の長寿者)が元気なのは、健康食が大きな理由の一つとされている。緑黄色野菜や果物、豆腐や味噌などの大豆製品、魚や海藻をしっかり食べるという。悪者にされがちな肉類だが、沖縄の食生活に豚肉は欠かせない。
「方言で煮クターといいますが、ニンジンでもジャガイモでもあるだけの野菜を入れて煮込んだものを食べます。豚肉もグツグツ煮て、浮いてきた脂分は捨てます。昆布も一緒に入れるし、村のお年寄りはみんな豚肉が好きさね。年金が2カ月で6万円という人もいますが、野菜は隣近所からもらえるし、上手にやり繰りしています。本当に共同生活という感じですね」(大山さん)
大宜味村の特産品が、ミカン科の柑橘であるシークヮーサーだ。20年度の生産量は2513トンで、沖縄県のシェアの約60%を占める。
上原地区で区長を務める松川隆行さんの案内で集落を歩くと、山の中腹の道沿いの畑にシークヮーサーの木が植えられていた。ほとんどは秋に青い実のうちにジュースなど加工用に収穫されるため、完熟したクガニ(黄金)と呼ばれる生食用のシークヮーサーがわずかに実をつけていた。
松川さんは山の斜面に自生する約70本のシークヮーサーを管理している。畑に植え付けた木よりも害虫や病気に強く、無農薬で栽培できるという。松川さんが説明する。
「イノシシのフンや、刈り取った雑草や雑木はそのままにして肥料にします。隣の畑は82歳のおばあさんが毎朝5時に家を出て、手入れに来ます。除草剤は使わないし、平気で木にも登ります」
シークヮーサーはジュースにするだけでなく、焼き魚や煮物にかけるなど、さまざまな料理に使う。搾った後の皮も無駄にしない。皮にはフラボノイドの一種である「ノビレチン」が多く含まれ、ヒトを対象にした臨床試験で排尿障害の緩和や認知機能の改善が確認されている。松川さんは皮をジャム状にして、パンなどに塗って食べるという。