3月までegg編集長を務めていた赤荻瞳さん。小学生の頃からeggを愛読。egg誌面で紹介されていた高校に進学した(撮影/写真映像部・高野楓菜)
3月までegg編集長を務めていた赤荻瞳さん。小学生の頃からeggを愛読。egg誌面で紹介されていた高校に進学した(撮影/写真映像部・高野楓菜)

 復刊の支援をした富士山マガジンサービス(東京)の担当者によると、雑誌事業以外での収入が鍵を握るという。「当社の調べでは今年に入って25誌が休刊しています。復刊するには紙だけでなく、デジタルの活用も含めた成長戦略をともに考えます。コンテンツのデジタル化に加え、ブランドを活用したイベントの開催やネット通販、会員制オンラインサロンの導入など収益構造の改善を支援します」

 ストリート系の「Zipper」は3月下旬、季刊誌として5年ぶりに復活。編集長の森茂穗さん(43)は、以前よりストリート色を強めに仕上げた。「SNSは今のトレンドを知るにはいいかもしれませんが、新しいファッションスタイルや価値観が生まれる場所になったでしょうか。雑誌では新しいファッションカルチャーを提案し、未来をつくっていけたらと思います」

 出版業界に詳しいライターの永江朗さんはこう分析する。「復刊する雑誌には固定読者がいますが、休刊前ほどは獲得できないでしょう。それでも復刊するのは、部数で稼ぐというより、ブランド力を生かしてウェブ配信、物販で新たなビジネスをする方向性があるからです」

(編集部・井上有紀子)

AERA 2022年4月25日号