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 ペットはもはや大事な家族。読者とペットの愛おしい日常のひとコマをお届けします。今回の主役は、犬のピノコちゃんです。

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 鷹野ピノコ、9歳女子。繁殖犬として多くの子どもを産んで次々と引き離され、子どもたちは遠くへ売られていった。

 豆柴として完璧な身体バランスと、可愛い顔立ちだから、繁殖犬として便利に使われてきたのだろう、きっと。

 名前は、ブラック・ジャックの助手である可愛らしい女の子からもらった。

 今年3月、里親募集の写真を見た瞬間、以前家族だった柴犬の遼太郎とうり二つのこの子に一目ぼれした。

 縁組が決まって、4月1日、わが家にやってきたピノコは、家に上がるやいなや、フローリングの上でおしっこをしてみせた。初めての場所が不安で、マーキングしたのだろう。

 今ではすっかり落ち着いて生活している。

 保護犬の飼育は難しいといわれる。ピノコは手から餌を食べることがないばかりか、リードをつけることもできなかった。中には、リードをつけるのに3年かかった例もあるという。

 そこで、まずリードをつけることと、リードをつけて散歩することを目標に設定した。

 首輪をハーネスに変えたり、一番細いリードでドッグランを走らせたりすること3週間。なんとかリードをつけて散歩することに成功した。

 今でも、ちょっとした僕の動作に、ビクッと反応することがあるけど、それでも足元から離れようとしない。愛された経験のない保護犬だから、余計に人の愛情が欲しいのだろうか。

 仕事から帰ると、この写真の表情で「お帰り、愛ちてゆ」と出迎えてくれ、仕事の疲れが霧消する。この子は、愛情を注ぐとさらに大きな愛情で返してくれる。ピノコなしの生活は考えられない。(長野県茅野市/64歳/高校講師・大学講師)

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週刊朝日  2022年8月5日号