こうした厳しいテストマッチを戦い抜き、来年9月8日に開幕するワールドカップ2023で4強以上に進むには、当然歴戦の強者たちの経験値が不可欠だが、同時に新戦力の勢いも欠かせない。
ワールドカップ2019で日本代表のキャプテンを務めたリーチマイケル(BL東京)、その後キャプテンを引き継いだピーター・ラブスカフニ(S東京ベイ)、姫野和樹(トヨタV)らの「2019戦士」はリーグワンでも引き続き活躍。さらに、ワールドカップ2015の南アフリカ戦で逆転トライに繋がる突破を見せたアマナキ・レレイ・マフィ(横浜E)も好調だ。そんな実績のある選手ぞろいのFW第3列(フランカーとナンバー8)に食い込んで、すっかり存在感を高めているのが中学3年時に来日し、目黒学院高校(東京)、東海大学と国内でキャリアを積んできたテビタ・タタフ(東京SG)。初キャップは2016年だがワールドカップ代表選出はなし。しかし、昨年の2度の欧州遠征では、世界トップクラスのチームを相手に抜群の突破力を発揮した。
FWで一番の新風となるのはロックのワーナー・ディアンズ(BL東京)だ。昨年10月には負傷者が出たことによる追加招集とはいえ、高校(流通経済大学柏)卒業から約半年で代表入り。身長202センチという抜群のサイズを誇り、リーグワンでも強豪の一員として経験を積んでいる。
サイズも求められるため海外出身選手が起用されることが多いロックのポジション。昨秋の代表に選ばれながら負傷で離脱した身長192センチの秋山大地(トヨタV)、大戸裕矢(静岡BR)の2人や、2016年から断続的に代表に選ばれながらワールドカップとは縁のない身長194センチの小瀧尚弘(神戸S)らの台頭が期待される。
バックスでは、司令塔のSOはワールドカップ2019をはさんで田村優(横浜E)と松田力也(埼玉WK)の2人に固定されているといっていい。リーグワンでもともにチームの大黒柱として活躍している。ここに割って入る選手が現れるか。ロック同様に海外出身選手の起用が多いポジションにあって、田村優の弟、田村熙(東京SG)はリーグワン ディビジョン1の首位を走るチームの司令塔の座を確保。山沢拓也(埼玉WK)の起用を熱望するファンもいるが、ジョセフヘッドコーチの考えはいかに。