「石の上にも3年ですよ」
【アンケート結果】ファンが選んだ!「平成で最もカッコいいバッティングフォーム」7人
今シーズンから横浜DeNAベイスターズの野手総合コーチに就任した石井琢朗コーチが開幕前に語っていた言葉を思い出す。
シーズンが開幕して約1カ月、今季のDeNAはここまで最多の借金は3(データは4月26日現在、以下同)と勝率5割前後の戦いを演じている。昨季、4月末の地点で借金が15あったことを考えれば、十分に戦えていると言っていいだろう。
また戦力を見れば、投手では今永昇太、野手では右肘のクリーニング手術をしたタイラー・オースティンを開幕から欠いている上に、4月上旬にはコロナ禍により開幕4番に座った牧秀悟をはじめ桑原将志、柴田竜拓、戸柱恭孝、倉本寿彦、楠本泰史ら一軍の野手、さらに投手では濵口遥大、石田健大、砂田毅樹、山崎康晃といった主力選手たちが離脱。ともすればチームはガタガタになると思われたが、決して厚くはない選手層のなか、残った選手たちの奮闘によりチームはかろうじて踏みとどまった印象だ。
とくに工夫が見られるのが打順だろう。もちろん戦力が揃わない状態ゆえに日替わりオーダーとなるが、それでも昨年からの変化が顕著にあるとすれば2番打者の運用だ。昨季は柴田など小技の利くタイプの選手を置くことが多かったが、今季は楠本や大田泰示、佐野恵太といった出塁が期待できる中距離砲を置き、1番からクリーナップまで切れ目なく得点を狙える構成になっている。
これはおそらく広島やヤクルトのコーチ時代から常に適材適所を考え指導をしてきた石井コーチの影響があると思われる。いかに効率よく得点をするのか、ノーヒットであっても打者を還すためにはどうすればいいのか、これがDeNAがキャンプからチームとして共有をしてきた部分だ。
そういった意味から、チームとしての走塁意識も高まっていることも見て取れる。昨季最下位だった盗塁数は、今季ここまで10個とリーグ2位。またオープン戦からエンドランや右打ちの進塁打など走塁をからめたケースバッティングも確実に増えている。