
──作品への姿勢がストイックと言われています。
自分のこと、全然ストイックと思っていないですよ。別にそういうことじゃなくて、「ああ、この状況もったいない! こういうことできるのに、ああいうことできるのに」って思っちゃうだけですね。もったいないおばけですよ(笑)。だけど、そういう人って嫌われるんです。「めんどくさいな、またあんなこと言ってるよ!」って(笑)。
──ストイックといえば、普段からトレーニングをされています。体重は管理している?
SHOCKをやるとだいたい減ります。舞台をやると落ちる。落ちたらまた増やすというループですね。でも、4、5年前は今よりもっと細かったんです。54(キロ)くらいだったかな。それを58とか59に今は増やして。一時期体力の衰えを感じた時期があったんですよ。そのときは、トレーニングで体重を増やしたんです。
──トレーニングで、精神的にも鍛えられる?
フィジカルトレーニングってめちゃくちゃメンタルトレーニングなんですよ。メンタルが追いつかないと、絶対にフィジカルは超えられないので。だから、それを経験しておけば、勝手に自信がつくんですよ。
──人生経験は表現の幅につながる?
もちろん、すべては経験値だと思うんですよ。でも、それを感じながら僕は生きてないですね。今まで、あ、これ成功したな、と思うことと、失敗したな、と思うことがあるじゃないですか。本当はそうなっちゃいけないんですけど、舞台だって、土下座したくなるほど出来が悪いと感じることもありましたよ。
どっちかっていうと、失敗したな、と思うことが多いんですよね。だけど、失敗しないと今の自分はいないわけですし。だから失敗しないように生きよう、生きようとするのは、つまんないことだな、と思っています。
いろんな経験を積んで、技術で人を楽しませることはある程度必要かもしれない。ですが、テクニックとは違うところでエネルギーを生んでいかないと、人は感動させられないと思っています。
(構成/本誌・直木詩帆)
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※週刊朝日 2022年5月6・13日合併号