◆難しい状況から何かが生まれる
──カッコつけて失敗した経験は?
僕は不器用なので、あんまりないですね。カッコつけられないタイプの人間なので。だったら、ぶち当たるしかないですよね。そこで生まれてくるエネルギーみたいなものがリアルになっていって、お客さんの心をつかんでいくと思う。
例えば勝利だったら、Sexy Zoneの勝利は、舞台のステージ上にはいらないよ、って話。舞台、演劇となると、もっと地面はいつくばって、「うらぁ!」ってなってる姿を見たいなって。
──座長として、重い決断をたくさんしてきました。決断するときに、頼りにしているものは?
今までは、本当にジャニー(喜多川)さんですよ。「ジャニーさん、これどうしたらいいと思う?」「そんなん知らないよー。こうじゃないの?」「ジャニーさん、言ったからね? じゃあそうするよ?」って、やってきたわけじゃないですか。改めて思うのは、これだけジャニーズ事務所にたくさんタレントがいる中で、ジャニーさんってどれだけの責任を負ってきた人だったんだろうって。亡くなってから、そう思いましたよね。
これまで全部ジャニーさんのせいにしてたんですよ。でも今、この決断に関して誰の判断を仰げばいい、っていうのがなくなっちゃった。
それでギリギリまでどうしよう、って悩んだんですが、現状許される形の中で、より華やかにしていったほうが、クリエーティブなのかな、と判断したんです。
──2020年、インスタライブで舞台を生配信。エンタメの新しい形を模索し続けています。
ああ、インスタライブね。やっちゃえ、やっちゃえって。難しい状況でも、そこから何か生むことってできるじゃん、って常に思っちゃう。
それこそ佐藤勝利なんて、本編も「Eternal」もやるよ、って言われて、「えー!」って思ったでしょうね。でも、「やだなぁ」「きついなぁ」って思うことって、お客さんが楽しんでくれることなんですよね。そこに向かっていこうよ、って。あえてしんどいなって思うほうに向かっていくエネルギーがないと。
やっぱり、エンターテインメントをお客さんが見るときは、心の潤いを求めているわけだし。こっちが生ぬるいところに浸かった状態でやったって、何も潤すことができないと思いますからね。