司会の有働由美子アナウンサーからの指名で、多くの著名人が思い出を語った。

 寺島しのぶさんは、今年11月公開予定の映画「あちらにいる鬼」で寂聴さんをモデルにした長内みはる役を演じた。「『寺島しのぶが瀬戸内寂聴になる』と言われていますが、そこは間違っています。でないと、(寂聴さんが)怒ってしまうシーンもあると思います」

 瀬戸内晴美の時代からお付き合いがあるノンフィクション作家・澤地久枝さんは「サービス精神旺盛で、何が必要なのか、分かっている人。行動の人でした」。

 作家・阿川佐和子さんは「父(阿川弘之)から寂聴さんは男にもてて大変だった、とは聞いていた。でも、あのまんまるのお顔の方がそんなにモテるのか分からなかった(笑)」。

 続けて家族ぐるみで瀬戸内さんと懇意にしていた作家2人が、お別れの挨拶をした。平野啓一郎さんは「瀬戸内さんからは『弔事を読んでね』と言われ、『もちろんです』と答えた。お酒の席でもあったので、まだ遠い先のことのようで、あまり具体的に考えたことはなかった」と話した。平野さんは「誰もが瀬戸内さんをどこか不死身の人のように思っていて、110歳ぐらいまで生きられるのではないと思っていて、本人にもそう伝えた」と語った。そのとき、寂聴さんは「そんなには生きたくない」と笑って、首を横に振ったという。

 平野さんは「99歳で亡くなったという事実に、ことさら意味付けをする必要はないでしょうが、私は一遍の短編小説を読んだような印象を受けました。年齢を考えれば、いつどうなってもおかしくはない。そのうそ偽りのない感じは、瀬戸内さんの人生そのものだったと感じています」と懐かしそうに話した。「本人には面と向かっては言えなかったが、私はとにかく瀬戸内さんという人が非常に好きでした。話をして、あんなに楽しい人はいませんでした」と天に語りかけた。

 作家の江國香織さんは「父(演芸評論家・エッセイストの江國滋さん)からのお付き合いで、ベビーベッドやドレスなどを贈ってもらいました」。

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秘書・瀬尾まなほさんからメッセージ