2013年から晩年の10年間、秘書を務め、一番近くで瀬戸内寂聴さんを見た瀬尾まなほさんは、新型コロナウイルスの濃厚接触者となったため会を欠席。司会の有働アナがメッセージを代読した。

「生前、『来年の5月15日の誕生日には100歳のお祝いしようを盛大にしようね』と話しておりました。今日のこの会が瀬戸内の生誕100年をお祝いする会であればどんなにうれしいことだったろうか、そんな風に思ってしまいます。

 瀬戸内が亡くなった後、たくさんの方々が瀬戸内を偲ぶ言葉を寄せてくださいました。その心のこもった言葉すべてを、瀬戸内に読んでもらいたかったです。きっと喜んだと思いますし、今日のこの日も、このたくさんの方々に集まっていただいた様子を見たら、ここ数年の口癖であった『しんどい、早く死にたい』が、『やっぱり死ぬんじゃなかった』にかわって、ひょっこり舞台袖から笑顔で現れてくるんじゃないかと、そんな気がします」

 最後は、「私の葬式で踊ってね」と託された寂聴連の6人が祭壇の前で阿波おどりを披露。会場からは手拍子が起こる中、寂聴さんらしく、明るく、そして楽しくにぎやかに会の幕は閉じた。

 みんなの思いは天に届いたに違いない。

(本誌・鮎川哲也)

※週刊朝日オンライン限定記事

暮らしとモノ班 for promotion
Amazon スマイルSALEは9月4日まで。よりお得にするためのポイントやおすすめ目玉商品を紹介♪