■鹿島:曽ヶ端準

 1979年8月2日、茨城県生まれ。長きに渡って最後尾からチームを支えた鉄人GK。同じ時代に川口能活、楢崎正剛の2人がいたことで日本代表では出場4試合のみだったが、実力は申し分なし。ユースから1998年にトップ昇格を果たして以降、2020年の現役引退までアントラーズ一筋23年を貫いた中、2001年から17年間に渡って正GKとしてゴールマウスを守り続けた。その結果、歴代5位となるJ1通算533試合出場に加え、歴代トップの無失点ゲーム169試合を誇った。曽ヶ端と同期入団の小笠原満男、中田浩二、本山雅志ら、鹿島には伝統的に高体連出身者が多かったが、近年は土居聖真、鈴木優磨、町田浩樹、沖悠哉とユース出身者の割合も増えてきており、特に鈴木は今後“最高傑作”となる可能性を持っている。それでも今は、曽ヶ端の“息の長さ”に改めて舌を巻くべきだ。

■柏:酒井宏樹

 1990年4月12日、長野県生まれ。幼少期から類稀な身体能力を持ち味にし、ジュニアユース時代からクラブの黄金世代の一人として注目され、2009年にトップチーム昇格。そして2011年、右サイドバックとしてダイナミックな攻め上がりからの超高速クロスでブレイクを果たし、史上初となる昇格初年度でのJ1優勝達成に大きく貢献した。柏には翌2012年夏までの所属だったが、以降はハノーファー(ドイツ)、マルセイユ(フランス)で不動のレギュラーとして活躍して実力を証明。日本代表としては、ロンドンと東京の五輪2大会に出場し、W杯はブラジル、ロシアでメンバー入り。古くは明神智和や近藤直也、最近では古賀太陽、細谷真大と優れた選手を輩出してきた柏ユースだが、その中でも酒井の能力とキャリアは最も評価されるもの。今年開催のカタールW杯で、改めて自らの力を証明してもらいたい。

■千葉:阿部勇樹

 1981年9月6日、千葉県生まれ。1998年に16歳333日という当時のJ1最年少出場記録を打ち立てた秀才MF。その後、2003年に就任したオシム監督の下、21歳で主将を任されながら大きく成長。高精度の右足キックを武器にチームを上位争いに導き、2005年にはボランチながらリーグ戦12得点をマーク。同年からのナビスコ杯の連覇にも貢献した。2007年に浦和へ移籍し、イングランドでも1年半プレー。センターバックも可能な万能性も持ち、歴代4位となるJ1出場590試合を記録した中で、4度のJリーグベストイレブン、8度の優秀選手賞を受賞。日本代表でも通算53試合に出場した。山口智に始まり、佐藤寿人、佐藤勇人の兄弟、さらに近年では櫻川ソロモンという新たな怪物候補を生み出したジェフユースだが、優れた技術と戦術眼を併せ持ち、他クラブへの流出が多かった中で主力として長くクラブに貢献した阿部が、やはり“最高傑作”だ。

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