AERA 2022年5月2-9日合併号より
AERA 2022年5月2-9日合併号より

 物理法則をテーマにした『歴史は「べき乗則」で動く』はエッセー的な科学読本。『世界はシステムで動く』は「出来事」ひとつひとつに一喜一憂せず、大きなシステムとしてものごとを考えようと説く本です。どちらもものごとの見方や考え方をアップデートしてくれます。経済やマネーについて学ぶなら、現状を見るものさしを複数持っていた方がいいですね。

『観察力の鍛え方』は観察を重ねること、いろいろな視点で物事を考えることの大切さを説いています。私ととても近い考え方ですが、自分自身ではなかなか言語化できなかったこと。とても感銘を受けた一冊です。

 生き方の「核」を自分の中に定めることも大切にしています。うまくいっても調子に乗らず、次に向けて頑張っていくきっかけを与えてくれるのが『人生の短さについて 他2篇(へん)』。古代ローマの哲人セネカの人生論で、大学生のときに初めて読んで以来、繰り返し手に取っています。自分にとって、「心の風紀委員会」のような本ですね。

『世界史を俯瞰(ふかん)して、思い込みから自分を解放する歴史思考』は思い込みが行動を狭めていることを教えてくれる。マネーの本ではありませんが、投資の世界でも必要なことが書かれている。新たな気づきが生まれるいい本です。

(構成/編集部・川口穣)

AERA 2022年5月2-9日合併号より