大リーグ球宴「救援投手陣の質」に東尾修が驚き 「WBCは相当厳しい戦いになる」

　だからこそ、大谷翔平には、日本代表に加わってもらいたい。戦力としてはもちろんだが、メジャーの猛者の中でもトップを行く選手と同じグラウンドに立つことで、日本選手の考え方は大きく変わるはずだ。その先に日本の野球の進歩がある。

　例えば、ロッテの佐々木朗希に対し、今シーズン、対戦相手は何を考えたか。バットを短く持つ選手が多かった。クリーンアップを打つ選手はしっかりと自分のスイングをしてほしいと思ったが、中軸でもバットを短く持つ選手がいた。短期決戦や国際大会のように一発勝負であれば、コツコツ当てたり、粘ることが大切かもしれないが、それだけだとそこから先の可能性は感じない。大谷のスピード、パワーを近くで代表選手が感じ取ることで、日本球界にその考え方を還元してほしいと思う。

　世界一になることを期待する一方で、プロ野球発展のために何が必要かも同時に考えたい。今回のMLBのスター選手の競演を見て、改めてそう感じた。

東尾修（ひがしお・おさむ）／1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代（95～2001年）に2度リーグ優勝

※週刊朝日 　2022年8月5日号

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