日本では、2004年からミサイル防衛システムを整備。イージス艦に弾道ミサイル対処能力を備えたり、PAC-3を配備するなどして対策をとっている。
だが、これらは「撃たれるミサイルの数に依存している」と福田教授は言う。
「少数であれば撃ち落とせますが、数が増えるほど打ち漏らすリスクは高まります。いつどこに発射されるのかにも影響されるので、迎撃システムが完璧とは言えない側面もあります」
大阪市の松井一郎市長は、北朝鮮の相次ぐミサイルの発射やウクライナ侵攻を受け、大阪メトロの地下鉄99駅を避難施設に指定したと発表。ミサイル攻撃に懸念を示している。
もし、ミサイルの脅威が身近に迫ったら──。福田教授によると、シェルターがあるならそこに、ないなら地下に。屋外よりも建物の中へ、家にいるなら窓から離れ、風呂場などに避難するのも一つだという。
「何分で飛んでくるのかは、撃たれたミサイルの種類によります。5分かもしれないし、30分かもしれません。遠くの安全なところより、近くのやや安全なところを目指し、生存確率を少しでも高める行動をとることが大切です」
(編集部・福井しほ)
※AERA 2022年5月16日号より抜粋