しかし、残留したマルテはここまで苦しいシーズンを送っている。4月1日の巨人戦(東京ドーム)で右足に違和感を感じ、同3日に登録抹消。5月10日に一軍再合流となったが期待された結果は出せていない。スタンドを沸かせたのは、同11日の広島戦(甲子園)、絶好機で三振に倒れ膝でバットを折った時くらいだ。

「フォークなど落ちる系のボールはバットに当たる気配がない。矢野監督も景気づけの一発を期待しているようですが、ストレスを溜めるだけの結果です。故障で離脱してしまい気持ちだけが空回りしているようだ。このままだと今後も厳しいかもしれない」(阪神OB)

 来日2年目のロハスも同じく厳しい状況だ。阪神入りする前の20年には韓国リーグで打率.349、47本塁打、135打点という圧巻の成績を残して、本塁打と打点の二冠を獲得。鳴り物入りでの入団となったが、昨シーズンから引き続き目立った数字が残せていない。

「1年目はコロナ禍で来日が遅れ、日本の野球に対応する時間も必要だった。しかし2年目の今年も改善の兆しが感じられない。確実性と長打を備えているという触れ込みは何だったのか。気の抜けたようなスイングの三振ばかり見せられチームの士気も下がってしまう」(阪神OB)

 昨年の成績は60試合の出場で打率.217、8本塁打、21打点。出場試合数は少ないが長打力は随所で感じさせ、春季キャンプからチームに合流して挑んだ今季は大きな飛躍がされていた。ところが蓋を開けてみれば、打率は2割にも満たない絶不調で5月12日には登録抹消されてしまった。

「気持ちの波が大きいのは知られていた。多くの球団が獲得調査をしていたが手を引いたのは、お金以上にメンタル部分の不安を考慮したのではないか。体調面での不安がない中で今のようなスイングは考えられない。二軍生活で気分転換できるか。一軍に再合流してもうまく使いこなせることができるか。今後も不安が残る」(在京球団編成担当)

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安定的に勝つには編成部門の改革必要か