マイクロチップと専用の注入器。犬は生後2週、猫は生後4週から装着できる。装着は獣医療行為なので、獣医師が行う(撮影/吉川明子)
マイクロチップと専用の注入器。犬は生後2週、猫は生後4週から装着できる。装着は獣医療行為なので、獣医師が行う(撮影/吉川明子)

「人工的な異物を身体に埋め込むのは何らかの支障が出てくると思い、嫌だから」(60代女性)

お金もかかりそうだし、手術を受けさせるのもかわいそう。災害で離れてしまう可能性はそれほど高くないと思うので」(50代女性)

 といった声があった。安全性についてはどうなのだろうか?

「マイクロチップは生体適合の素材で作られており、当院でも20年以上装着していますが、マイクロチップによって病気や副作用が引き起こされたという報告も経験もありません」(柴内院長)

 動物病院でマイクロチップを装着した場合、飼い主は日本獣医師会、日本動物愛護協会など4団体で構成される「AIPO(動物ID普及推進会議)」に登録する流れが大半だ。現在、AIPOには約286万頭のペットが登録されている。

 登録団体はAIPO以外もあるが、保健所や動物病院、警察などで保護された犬にマイクロチップがあった場合、その番号をAIPOに照会するケースが大半だという。

「動物病院でマイクロチップを装着すれば、ISO国際規格のチップを使いますし、基本的にはAIPOに登録することになります。念のため事前に、登録団体がAIPOかどうかを確認することをおすすめします」(同)

 独自の登録団体に登録を行っているペットショップグループなどもあるが、別の登録団体に登録済みでも、AIPOにもマイクロチップ番号や飼い主の情報を登録しておくほうが望ましい。

 6月1日からは環境省のマイクロチップ登録サイト「犬と猫のマイクロチップ情報登録」が開始される。インターネット上で登録すれば、各種登録団体に加え、環境省のデータベースにも登録できるようになる。

 近年、コロナ禍もあり、保護犬や保護猫を飼い始める人が増えているが、マイクロチップ装着を譲渡の条件としている保護団体も少なくない。

 茨城県在住のALT(外国語指導助手)が中心となり、犬猫の保護活動を行っている「かわくじアニマルレスキュー」もその一つだ。

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