二軍で結果を残している巨人の石川慎吾はトレードの“狙い目”に?(写真提供・読売ジャイアンツ)
二軍で結果を残している巨人の石川慎吾はトレードの“狙い目”に?(写真提供・読売ジャイアンツ)
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 今月24日からセ・パ交流戦に突入したプロ野球。両リーグとも徐々に上位、下位のゲーム差が開きつつあるが、レギュラーシーズンの約2/3が残っていることを考えると、まだまだ大きく順位が変動することも考えられるだろう。そしてこの時期に注目なのが球団間による交換トレードだ。2019年からの過去3シーズンを振り返ってみても6月、7月に成立したトレードは合計12件(2019年6件、2020年2件、2021年4件)と各球団ともに、毎年この時期になると動きが活発化していることが分かる。

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 では今年動くとすればどの球団なのか、そして他球団から狙い目と言える選手はどんな顔ぶれになるのか探ってみた。まず過去3年でシーズン中にトレード(金銭含む)を行った回数を球団ごとにまとめてみたところ、以下のような結果となった。

■セ・リーグ
巨人:9回
阪神:4回
中日:3回(2019年のモヤの金銭による移籍は1回でカウント)
広島:2回
DeNA:1回
ヤクルト:0回

■パ・リーグ
楽天:7回
ロッテ:4回
日本ハム:4回
オリックス:3回(2019年のモヤの金銭による移籍は1回でカウント)
ソフトバンク:1回
西武:1回

 作戦上のサインの問題などもあって、過去3年間は全て両リーグ間のトレードとなっている。中でも目立つのがやはりそれぞれのリーグで最も多い回数となっている巨人楽天の2球団だ。巨人は現在、首位ヤクルトから1ゲーム差の2位と優勝を狙える位置につけているが、不安要素は投手陣にある。特にリリーフ陣はルーキーの大勢がクローザーに定着しているものの1年間を通じて調子を維持できるかは未知数であり、そこに繋ぐまでの中継ぎも万全とは言い難い状況だ。故障で出遅れている中川皓太や鍵谷陽平、調整中のビエイラの復帰が遅れるようであれば、ブルペン陣のテコ入れのためにトレードに動くことも十分に考えられるだろう。特に左投手は中川の不在が響いているだけに、すぐに使える投手が欲しいところだ。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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