左から阿部慎之助、衣笠祥雄、清原和博
左から阿部慎之助、衣笠祥雄、清原和博
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 鈴木大地(楽天)が5月14日、史上23人目の通算100死球を記録した。過去22人は全員100本塁打以上で、鈴木(通算69本塁打)のような打者のケースは珍しい。強打者やベース方向に踏み込んで打つ選手に死球が多いのは当然だが、はたしてそれだけなのだろうか。死球にまつわるエピソードを交えながら、過去の記録を振り返ってみよう。

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 死球は1年で2ケタに達すると多い部類だといえるだろう。試合数の10分の1、最近でいえば14死球前後ならリーグ最多になる可能性が高い。昨年のセ・リーグ最多は青木宣親と塩見泰隆(いずれもヤクルト)の10死球。パ・リーグ最多は宗佑磨(オリックス)の13死球だった。

 パ・リーグ通算史上1位は井口資仁(ロッテほか)の146死球だ。井口は通算1760本安打、通算251本塁打(日本での成績)の強打者で、ダイエー時代の2003年とロッテ時代の10年に100打点以上をマークしている。死球もその03年と10年に14死球(10年はリーグ最多)を数えた。

 12~17年に井口と同じロッテでプレーした鈴木は、17年に18死球、18年に17死球、19年に16死球と3年連続で2ケタ死球。100本塁打より先に100死球を記録した史上初の選手になった。井口は死球を受けた次の打席でも、死球を恐れず積極果敢に踏み込んで打ちにいった。その姿を見た鈴木は「井口さんの姿勢を見習いたい」と語ったそうだ。

 鈴木が所属する楽天の金森栄治・育成打撃コーチの「ふすま理論」は、腕を縮めたほうがふすまを開けるとき力が入るというものだ。つまり投球をできるだけ引きつけて打てば力も伝えられるという理論だが、そのぶん死球になる確率も高くなる。金森コーチは現役時代、死球で絶叫する姿がテレビ番組「珍プレー・好プレー」で人気を博し、「爆笑生傷絶叫男」の異名を取っていた。1984年は65試合に出場し、181打席で12死球というのは15.1打席に1死球という計算になる。

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