守備力が飛躍的に向上した3年目の2018年は開幕から二塁手として定位置を確保。2番セカンドで開幕スタメン出場を果たし、5月13日の中日戦(東京ドーム)では松坂大輔からプロ初本塁打を放つなどブレイクの予感を漂わせた。7月には月間打率.386をマークし、8月1日のDeNA戦(横浜)では18試合連続安打を記録したが同試合で左手を骨折して離脱。そのままシーズンを終えた。翌2019年も開幕から11試合で打率.390と絶好調だったが、持病の腰痛が悪化して登録抹消。シーズンが終わるまで一軍に上がることはなかった。

「ナオキの場合、敵は我にあり。身体能力が素晴らしいので常にギリギリでプレーしている感じ。真面目な選手で手を抜くこともないのでケガのリスクも高い。また全身の筋力を支えるため体幹、腰に必要以上の負担がかかる。継続的に体幹強化をしているが腰の状態が悪い時は日常生活にも支障が出るほど。素晴らしいプレーを生み出す肉体が諸刃の剣になっているのは皮肉ともいえる」(巨人チーム関係者)

 プロ入り後は怪我に泣かされることが多かった吉川だったが、コロナ禍の影響で120試合にシーズンが短縮された2020年には112試合に出場して初めて規定打席に到達。打率.274、8本塁打、32打点、11盗塁と結果を残した。昨シーズンも死球を受けて左手を骨折するというアクシデントに見舞われながらも108試合に出場。打率.272、5本塁打、25打点、7盗塁と2シーズン続けてまずまずの数字をマークした。

「(2018、19年は)骨折、腰痛と2年連続してプレーできなかったことが相当きつかった。自らの身体と向き合い体質改善にも取り組んだ。身体が温まりにくく全身が硬直しやすい。練習前にランニングなどの有酸素運動や入念なストレッチをする姿を見かけるようになった。少しずつだが身体の柔軟性も高まりつつあるのではないか。(今年5月4日の広島戦で背中に)死球を浴びて退場した際は最悪のケースも想定されたが、早期に復帰できたのは体が強くなったからかもしれない」(巨人担当記者)

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