家族を中心とするグループで総額約9億6千万円の持続化給付金を不正に受け取ったとされる事件。インドネシアで身柄を拘束された谷口光弘容疑者(47)=詐欺容疑で指名手配=と、以前から仕事の付き合いがあり、谷口容疑者の身柄が拘束される直前までやりとりをしていたという人物にAERAdot.が取材した。谷口容疑者らが給付金を受けるまでの手口やインドネシアで手がけていたとされる養殖などの概要が見えてきた。
【写真】谷口容疑者が身柄拘束される直前にした対話型アプリでのやりとり
「(谷口容疑者は)頭の回転が速くて、口八丁手八丁でセミナーの参加者をうまく手なずけていましたよ」
そう話すのは、以前から谷口容疑者と仕事の付き合いがあり、投資事業を手がける男性Aさん。
Aさんによると、谷口容疑者は給付金についてのセミナーを開いていたという。
セミナーの関係者によると、谷口容疑者はセミナーへの参加希望者を慎重に選び、「持続化給付金は個人で申請すると1人100万円。うち2、3割を手数料として受け取り、残りは申請者本人に渡す」と宣伝をしていた。
そして、次男(事件当時19)=詐欺容疑で逮捕=に、虚偽の内容を書いた確定申告書などの書類を作らせ、税務署での手続きを妻の梨恵容疑者(45)や、長男の大祈容疑者(22)=いずれも同容疑で逮捕=がしていた。その後、持続化給付金の事務局に持ち込むという手口だったという。
「毎日、梨恵容疑者らを税務署に行かせて、持続化給付金の申請に関連する書類も束で持っていました」(Aさん)
一方、今回、インドネシアで身柄を拘束された谷口容疑者だが、以前から海外での仕事も手がけていたという。
Aさんがスマートフォンに保存している写真の中には、中国・上海で自動車の輸出入関連の仕事をしていた際に、谷口容疑者と一緒に撮影したものもあった。Aさんは何度も、谷口容疑者と海外に行ったという。
なかでも谷口容疑者が入れ込んでいたのが、インドネシアだった。Aさんが谷口容疑者と知り合って間もないころだった。