和田さんが書いている「食事は我慢しない。食べたいものは食べる」と「エロティックは否定しない。いくつになっても刺激を求めていい」という考えは、まったくもって同感です。

 私の食養生は「好きなものを少し食べる」というものです。好きなものは、からだが、そしていのちが、要求しているのですから、大いに食べていいのです。

 また、最近私は「86歳になっても、わが女好きは一向におとろえない」と公言するようにしています。女性と一緒にいるだけでうれしいし、ハグも所かまわず、やりまくっています。それにより私の男性ホルモンは健在です。男性だけでなく、女性も性を大いに謳歌しましょう。

「お酒は飲んでいい。でもやはりほどほどに」というのは、ちょっとだけ違います。和田さんは「晩酌を楽しむのが賢明」というのですが、私は休日なら朝からビールを飲みます。80歳を超えたら、「ほどほどに」なんて考えなくてもいいのです。このほか、和田さんが勧める散歩が私は嫌いだったり、いろいろ違いはあるのですが、同感するところが多い本でした。

帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など著書多数。本誌連載をまとめた「ボケないヒント」(祥伝社黄金文庫)が発売中

週刊朝日  2022年6月17日号

暮らしとモノ班 for promotion
大谷翔平選手の好感度の高さに企業もメロメロ!どんな企業と契約している?