リヴァプール退団が濃厚となっている南野拓実(写真/gettyimages)
リヴァプール退団が濃厚となっている南野拓実(写真/gettyimages)
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 11月に開幕するカタールでのワールドカップを控え、日本代表のメンバー選考などに注目が集まっているが、所属クラブで重要な時期を迎えている選手も多い。今夏の去就がキャリアの“分かれ目”となりそうな海外組4選手の現状について紹介したい。

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【南野拓実/リヴァプール】

「プレー機会を得られないのは罪だ」。シーズン通算10ゴール目を決めた第37節のサウサンプトン戦後、チームを指揮するユルゲン・クロップはこう語っている。これは建前でもなんでもなく、本心であろう。これまで何度も南野の出場機会について問われてきたが、その度に選手選考に対する苦悩を吐露している。

 2021-22シーズン、南野はカップ戦を中心に出場機会を獲得し、二桁得点をマークしてみせた。1ゴールあたりの平均出場時間は「100.8分」で、ほぼ1試合に1点ペース。出番を得れば確実に結果を残しており、国内カップ戦2冠達成は間違いなく彼の功績だ。だからこそ、主将ジョーダン・ヘンダーソンやフィルジル・ファン・ダイクはリーグカップ制覇後、この日本代表FWへサポーターの歓声を促している。

 しかし本人は「重要な試合に出て結果を残すことに意味があるので、大したことはしていない。当たり前のことをやっていただけ」と振り返る。激しい競争の中でゴールという目に見える結果を積み重ねたものの、リーグカップ、FAカップ、チャンピオンズリーグといずれの決勝戦も出番はなし。現地メディア、解説者、ファンから絶賛されるシーズンを終えた後の感想は、「手応えというよりも悔しかった」であった。

 そしてリヴァプールは、ベンフィカから総額1億ユーロでFWダルウィン・ヌニェスの獲得が決定。これはサディオ・マネとともに、南野が移籍に向かっていることの証拠だ。すでにリーズやサウサンプトン、フラム、ウォルヴァーハンプトン、モナコなど5クラブが接触していることが複数メディアで報じられている。中でも恩師ジェシー・マーシュが率いるリーズが最有力とされているが、リヴァプールでの成長と自信を手に、いよいよレギュラーとして躍動する時が来たのだろう。世界最高峰の舞台でも結果を残せることを証明してきたからこそ、来季はプレミアリーグだけで二桁得点を挙げる可能性も十分にある。

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今や日本のエースとなったFWも“重要時期”