「序列」が上がった三笘
「序列」が上がった三笘

 サッカー日本代表、森保ジャパンは14日のチュニジア戦に0-3と敗れ、それぞれ中3日で行われた6月シリーズの4連戦を2勝2敗で終えた。

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 チュニジア戦でミス絡みで3点を失って敗れたのは想定外だった。だが、パラグアイとガーナにいずれも4-1と勝利し、ブラジルに守備で健闘するも攻撃の可能性は乏しく0-1で敗れたのは、ある意味で順当な結果だったといえるだろう。

 W杯は基本、欧州サッカーシーズン後の6月から7月にかけて行われてきた。しかし、初の中東開催となる2022年カタールW杯は、現地の夏の暑さを考慮し、11月開幕の冬開催となる(11月21日から12月18日)。Jリーグに関しては11月5日のシーズン終了直後、欧州リーグであれば直前までリーグ戦を行ない一時的にシーズンを中断して臨む形になり、この6月シリーズはW杯前にまとまった合宿ができる最後の機会でもあった。

 これまでのように大会前にまとまった準備期間が設けられていないだけに、この4試合をどう戦うかはW杯に向けて気になるところだったが、本番を見据えて特別な準備をするというよりも最終予選で出場機会の少なかった選手にもチャンスを与えながら、最終メンバーの絞り込みに重点が置かれたという印象だった。

 収穫としては、まずは4試合中3試合でフル出場した伊藤洋輝(シュトゥットガルト)の台頭が挙げられる。今合宿で初招集された伊藤は、6月2日のパラグアイ戦で左SBでデビューすると、その試合の後半にはCBにポジションを移し、ガーナ戦の終盤には3センターバックの左に入るなど、ユーティリティ性の高さを示した。

 188センチの長身。左利きで、昨季ドイツ1部のシュトゥットガルトへ移籍すると3センターバックの一角として定位置を掴み29試合に出場した。世代別代表までは主にボランチとしてプレーしており、左サイドバックはほぼ経験がなかったという。パラグアイ戦、チュニジア戦では失点につながるミスがあったが、的確なフィードや機を見たオーバーラップは今後に可能性を抱かせるものであった。

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伊藤の台頭で4バック全員が185センチ超えも