定期テスト廃止の裏側には、「勉強が一夜漬けになりやすいため」という理由もあるそうです。しかし、一夜漬けでもなんでも、今まで勉強してきた全範囲を復習し、暗記して頭の中に入れるという作業は、勉強をすすめていくうえで必要な作業のように思います。
たとえば、百人一首をコツコツと初めから1日に1句ずつ覚える、という方法で勉強したとします。そして全てを覚え終えた100日後に、「それでは、一つ目の句を言ってみて」と聞かれて、答えられる人はいるでしょうか。
コツコツ勉強するのと併せて、勉強した範囲をきちんと復習する機会がないと、最初のほうをすっかり忘れてしまうことが多いのです。
定期テストは、「自分は、今までの範囲を大体このくらいまで理解できているのだ」と測るためのバロメーターにもなり得ます。生徒の自主性を重んじるのは大切ですが、「定期テスト」という便利なツールをなくしてしまうのは、少々惜しいような気がするのです。