16位の清水(勝点16:3勝7分7敗、得失差-7)も、今後の“上昇”が見込める状況になってきた。開幕から攻守のバランスの悪さ、チームとしての戦略性を欠き、選手の個人技頼りの部分が多く目に付いていたが、6月7日にゼ・リカルド監督が就任して中断期間での立て直しを図ると、再開初戦で福岡相手に3対1の快勝。前半7分に西澤健太が幸先よく先制点を奪うと、前半41分にチアゴ・サンタナが2点目を決め、1点を返された直後の後半40分にはカウンターからベンジャミン・コロリが3点目を奪ってチーム6試合ぶりの白星を手にした。新監督の初陣での勝利は、単なる1勝以上の価値があり、ここにU-21日本代表でも活躍した鈴木唯人が戻り、未知数ではあるが3年ぶりの復帰が決まった北川航也が元エースの実力を誇示することができれば、得点力がアップした中で勝点を積み上げていけるはずだ。

 15位のG大阪(勝点17:4勝5分7敗、得失差-7)は、想定以上に停滞状態が長引いている。片野坂知宏監督を迎えての新シーズンで、ある程度の“時間”は考慮に入れていたが、エース・宇佐美貴史が長期離脱した中で日替わりメンバーの中でチームとして戦い方が定まらず。仕切り直しの再開初戦は、首位・横浜FMと対戦して前半は互角以上の戦いを演じたが、後半はギアを入れた相手に2失点して逆転負け。長期離脱していた守護神のGK東口順昭が今季初出場、主将のMF倉田秋も後半途中から4月10日(清水戦)以来の出場を果たしてチームを鼓舞したが、如何せん相手が悪かった。ただ、苦しんだ前半戦の中で、ダワン、齊藤未月のダブルボランチが機能性を高め、左サイドの黒川圭介や天才ドリブラー・中村仁郎らが頭角を現したことは収穫。戦力的には現在の順位(1試合未消化)にいるチームではなく、横浜FM戦の前半のように選手全員が懸命に走り、守備の強度を高めることができれば、おのずと順位も上がっていくはずだ。

 昇格1年目の14位・磐田(勝点18:4勝6分7敗、得失差-5)は、再開初戦で好ゲームを展開した。上位の鳥栖が相手だったが、スタメンに抜擢された“ラッソ”ファビアン・ゴンザレスが前半のうちに2得点を奪い、レギュラー奪取に成功したMF鹿沼直生が1得点1アシストの活躍を披露。守備陣も1失点と我慢し、リーグ戦4試合ぶりの勝利を手にした。ただ、ボール支配率32%だった点をどう見るか。MF遠藤保仁を中心としたパスワークと鳥栖戦で機能した堅守速攻のスタイルを融合させることができるかどうか。伊藤彰監督の手腕の見せどころになるが、決して戦力的に恵まれている訳ではない中で離脱者も出ており、まだまだ先行きは不透明だ。ただ、愛称ラッソのコロンビア人FWの強さと速さは今後も大きな武器となるはずで、残留へ向けた“救世主誕生”の予感を大いに漂わせている。

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危険水域にいる浦和にも“上昇気配”